ウクライナのギタリスト、ビタリーマクーキンが、45歳の若さで永遠の眠りについたとの知らせがあった。心臓発作だったという。

初めて上海のフェスティバルに出演した時。一週間くらいだったかな、同じ部屋で生活を共にしてとても仲良くなった。お茶を入れてくれたり、珍しい中国の食事にトライしてみたり…。年齢は10歳離れているけど、気さくに接してくれてありがたかった。

ウクライナは悲しい歴史を持つ貧しい国だ。そんな国でプロとして生計を立てる苦労は並大抵のものではないだろう。そんな中でも技術を磨き上げ、東ヨーロッパの伝統音楽を取り入れた独自のスタイルを確立したビタリー。

日常の中でするりと訃報が送られてくることがある。人が生まれるのも自然のことであり、死ぬのもまた自然のことなのだとその度に思う。それは年齢に関係なく突然来るものだ。その時僕は何を思うのだろう。彼は何を思っただろう。

さよならビタリー。安らかに眠れ。

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