僕は結構本を買う。といってもその殆どはくだらない本である。というか、本はくだらない方が良い。僕にとって本は何かの役に立てるために読むものでは無い。いつ使えるかも分からない、そんなこと知ってどうなるのといった話が大真面目に語られている本が大好きだ。
さて、いつの日か買った本があったので紹介しよう。
「うんこの博物学」ミダス・デッケルス
本当になんでこんな本を買ったのか分からない。何か思い悩んでいたのだろうか。複雑な気持ちをよそに、この本は今日も本棚に鎮座して特別な輝きを放っている。
さて肝心の内容だが実に素晴らしい。様々な時代考証や先人の言葉を引用してうんこを科学している。バルザック曰く、「硬さがちょうど良いうんこの快感に勝るものなど何もない」のであり、その反面「この世で最も恥知らずな存在」であるのもまた、それなのだ。
僕は物事の起源に思いを馳せるのがとても好きなのだけど、昔から「なぜ人はうんこを嫌うのだろう」と思っていた。だって犬や猫は臭いを嗅ぎに行ったりするし、うさぎなんて食べちゃうじゃない。それなのにいつから人はうんこを嫌うのか。そのことについてもかなりのページを割いて考察している。そして恐らく一番妥当だと思われる答えは…「くさいから」であるという。当たり前である。
その他にも世界一高価なうんこ、驚くべきうんこの利用法など本当に多岐に渡って考察されている。そのどれもが論文ベースで書かれており、非常に科学的なアプローチである。非常に勉強になった。
専門書と一般書の狭間にあるような本で、価格も少し高いのだけど、是非皆さんにもお勧めしたい。是非トイレに一冊置いておいて欲しい。