ある時から分かりやすく教えることへのこだわりを捨ててしまいました。

昔は感覚的なことをいかに言語化するかに心血を注いでいたし、どうやって説明するのが最も効率が良いのかを考えるのが好きだったし、分かりやすい!って言われるのがすごく嬉しかった。でも、予備校で教壇に立ったり、ギターレッスンでたくさんの人に触れる中で思ったのは…分かりやすい説明は受け手をただ分かったような気にさせるだけだということ。

鮮やかな解説を聞いて分かったような気になっても、次の瞬間には忘れているもの。そんなもんなんです。

それより何より、身体の感覚として理解したものは人間忘れません。

もちろん理論的な説明は必要だけど、そんなことは講義するより本に書いておくのが良い。動画よりも講義よりも本が最強です。早いし繰り返しやすいからね。

だからやっぱり、本で学べるというのは大事なスキルです。英語もね、分かりやすい文法書なんていくらでもあるんだから本で勉強したらいいんですよ。短期留学だーっつってフィリピン行くのは僕はお勧めしません。勉強ってのはそういうことじゃない。日々の平凡な生活の中のルーチンにいかに落とし込めるかが大事なんです。

話がそれちゃったけど、分かりやすい説明は分かったような気がするだけで身体から抜けやすい。本当に大切なことは身体の実感とともに会得していくしかない。

ある時振り返ると、分かりづらい説明だなと思っていたある人の言葉がこの上なく真理だったと気付く。

さて、もう少しギタリストらしい話をしましょうか…

音楽を学ぶ上で最も大切なことは何か?と聞かれたら僕は間違いなくアルペジオ(コードトーン)だ、と答えるでしょう。

今回はそれがなぜなのかを説明しません。ただ、アルペジオ(コードトーン)はうんと練習してみて下さい。身体の感覚に落とし込めた時に、色んなことが分かるはずです。

といってもみんななかなかやらないんですよ、アルペジオの練習。100人いて一人やるくらい。その一人に向けて書いてます。

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