お盆の最後の日が終戦の日であることが昔から不思議だった。日本人の慣習に合い過ぎていて、まるで図ったようなタイミングなので、小さい頃はお盆は戦後に出来た風習だと勘違いしていた。
日本は戦後76年だけど、海外を見ると大戦後も戦争がたくさんあったし、今でも起こっている。先日、オリンピックでウガンダの代表選手が「日本で働きたい」と書き置きを残して失踪した事件を笑っていた人がいて僕はとてもショックだった。これは難民問題であり、笑い飛ばせる話ではない。
あまり知られていないが、ウガンダはアフリカで一番難民を受け入れている寛容な国である。しかしその一方で貧しさに苦しむ人も多い。そんな環境で生きる人からすれば、日本はまるで天国だ。「このまま日本で働きたい」というのは心の底から出る叫びなのだ。僕はあのニュースを見てひどく暗澹たる気持ちになった。
先進国とは何か。それは飢えのない国、皆が教育と医療を受けられる国である。世界史の中でそんな国は近年まで存在しなかった。日本は早期にそれを実現した数少ない国なのだ。生活保護が受けられ、ホームレスでも食事にありつける。そんな国を作ることは、世界史の悲願だったのだ。もし生活保護を軽視する人がいたらそれは完全に歴史認識を欠いているし、社会というものが分かっていない。生活保護は長い歴史をかけて獲得された国民の権利なのだから。