僕はほっともっとが好きなのだけど、冬の新作で中華あんかけが出ていたので気になってポスターを見ていた。「とろ〜りあんかけ」と書いてありとても美味しそうだ。とろ〜りしてるんだろうなァ。これは頼むしかない。今夜はこのとろ〜りあんかけだ。そう思ってレジに向かい、店員さんに向かっておもむろにこう言った。
「とろ〜りあんかけ下さい」
しまったと思った。とろ〜りあんかけは商品名ではない。商品名は中華あんかけだ。しかしもう手遅れである。ハッとなった僕を尻目にベトナム国籍と思しき店員さんはこのように言った。
「とろ〜りあんかけ一丁〜」
やだイッケメン‼︎ なんととろ〜りを復唱してくれたのだ。なんて気遣いの出来る方だ。いや、それともただつられたのか。全く表情を変えずに言うので分からない。それとてこちらに気遣いさせない計算かもしれない。かなりの高等テクニックの持ち主、オモテナシの発露である。世の中捨てたもんじゃないなァモグモグ