サラリマン物語を知っているだろうか。1928年(昭和3年)に出版された、サラリマンの実情が赤裸々に述べられている一冊であるがこれがめちゃくちゃ面白いんである。

ちなみに明治は1868年から。当然江戸時代にはサラリーマンなんて存在しないわけで、サラリーマンというものが世の中に現れてせいぜい30〜40年くらいの時期に出版された本であるということである。

毎月決まった額の給料が振り込まれるというのは画期的であり、サラリーマンは「月給さん」として憧れの的であった、のであるが…

曰く、「もはや有名大学を出たからといって良い仕事にあり付けるという時代ではない」

「毎日満員電車に揺られて、女学生に触れないように通勤するのが辛いのである」

など、じわる発言連発。これ1928年よね?我々のおじいさんのお父さんくらいの時代の話ですよ?全く今と変わらな過ぎて面白い。

さらに、「だいたい近頃のサラリーマンはなっとらん、我々の頃は…」と続く。こういうのってマジでいつの時代もあるのね!我々のひいひいおじいちゃん世代が、ひいおじいちゃん世代に文句を言うというなんとも訳の分からない構図がそこにあるんである。一緒やろ!

サラリマン物語はもちろん現在は販売されていない。戦前の貴重な史料として国立国会図書館に保存されているのみである。が、ネット上でPDFが閲覧出来るのでそちらを参照されたし。

ちなみに僕は戦前の紙フェチである。なんかドキドキするんである。国民学校時代の通知表とかプリントとか相当興奮する。本人もまさか後世になって自分の通知表を見られてるとは思うまい。恋文でも出てきたらしめたものである。

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