新しいことに挑戦すると何が大変かって、自分のかっこ悪さと向き合わなきゃいけないことである。ある分野ではいかにプロでも、別の分野では初心者であり、とても頼りなく見えるものだ。
だけどその頼りない感じ、新しく何かの初心者になり、情けない姿を晒す感覚はとても大事だと思う。更にそこで踏ん張って、その何かを達成することはもっと大事だ。
人は本能的に変化を遠ざけるように出来ているから、努力する過程で諦める理由を考える。自分に合ってないんじゃないか?年齢的に遅いのではないか?体格的に向いてないのではないか?自分がやりたいこととズレているのではないか?本当に好きなことではないのではないか?
そして諦めて以前の生活に戻った時に、「やっぱりこの方が自分らしい」と自分を安心させるのだ。
もちろんその選択肢が正しいこともある。その人の人生だから、本人がそれで良ければ良い。ただ、人間にはこのように「変化を望まない本能」があるのだと知っておくことは、何かを達成する上でかなり効いてくる。
語学でも楽器でもスポーツでも、始めたての時は情けない姿をたくさん見せる。そういうものである。過去の自分は今の自分を引きずり下ろそうと、いつでも誘っている。それを振り切って前に進めば、違う世界が見えてくる。過去の自分が見えなくなった時、そこが本当のスタートラインである。