不思議なもので、ピアノを弾けば弾くほどギターの良さに気付く。もしかしたら僕は、ギターをもっと愛するためにピアノを弾いてるのではないかと思う。
ギターを弾いてる時は、ギターの不便さに嫌気がさす時がある。もっとこういうふうに音を重ねられたらなぁ…ギターってなんでこうなんだろう。そんな風に思うこともしばしばである。
しかしピアノを弾いたり、オケを重ねたりするうちに…んー、なんともアコースティックギターのあの独特の音が恋しくなるのである。なんかカリッとしててキラキラとしてて、キュッとしててストンとしてて…ギターって良い音だよなぁ。結局はギターのこの素朴な深さに取り憑かれている。
ピアノに集中するために、ギターに呼びかける。「おい君、しばらく君には触れないからな。ピアノの練習をしたいんだ。」しかし3日くらい経つと、喉が渇くようにギターに触りたくなる。ピアノも大好きなのだけど、「なんとなく触りたくなる」感じになるのはやはりギターである。
自分はギターに執着しないギタリストだと思っていたけど、どうやら本当は骨の髄までギタリストなのかもしれない。それを確認するために高いピアノまで買って弾いてるのだとしたら、なんと歪んだ愛なのだろう。しかし歪んでいても愛は愛である。やはり棺桶に入れて欲しいのはギターであるな。