このブログではおなじみ?な爪の話。またその話かよとなるかもしれないけど笑、ギタリストにとって音色は命。どんな音色を引き出したいか?を追求すると、自ずと爪の話になるわけです。
ここ数年の変遷を辿ると、
ずっとやってきたスカルプチャーやジェルによるコーティングを止めて、生爪にシフトしたのが三年くらい前。
(↑生爪+ネイルエンビー )
生爪にシフトした当初はすごく違和感があったけど、今言えるのは生爪の方が明らかにギターの箱鳴りを引き出せます。スカルプチャーは音量は大きいけど鳴りが浅い。
鳴りが浅いということは、ギターの個体差が出にくいということです。スカルプチャーをやめてから、ギターの材や作りの違いをより明確に出せるようになったと思います。
そこからピアノ練習するようになり、長い爪をどうにか出来ないかと模索する日々が始まる。笑
長い爪でピアノを弾くか?それとも爪を使わずギターを弾くか?の間で揺れ動く日々。今の結論は、「爪を使わずギターを弾く!」です。
爪を使わず、指の先の肉の部分だけで弾くことを指頭奏法と言います。17世紀、ギターの前身である古楽器リュートの時代には指頭奏法が普通でした。
ハッキリ言って指頭奏法は難しいです。爪先でサラサラと弾くのではなく、腕の筋肉を使ってしっかり弦をリリースする必要があるので、最初のうちは弦の摩擦や張力に負けてしまいます。ものすごく下手になった気がすると思います。笑
ところがやはり人間の適応力ってすごいもので…やり続けてると段々慣れてくるんですよね。以前よりかなり弾けるようになってきました。
(↑指頭のみ、表面はネイルエンビーてコーティング )
指頭奏法で分かったことは、慣れれば爪で弾くよりリズム良く弾けるということ。また、アルペジオや単音弾きの際にかなりの速度が出せること。そして何より、圧倒的な箱鳴りを引き出せるということ。
最初は箱鳴りに埋もれてメロディがなかなか前に出てこなかったのだけど、やってるうちに狙ったバランスで弾けるようになってきました。いやぁ練習って素晴らしい。
指頭奏法で参考にしたのはもちろんAndy MckeeやTommy Emmanuel。そして内田勘太郎さんや山崎まさよしさんのようなブルースマン、ジャズの小沼ようすけさん。皆、指頭奏法によるふくよかな箱鳴りがCDを通しても感じられます。
「欧米人に比べて日本人は華奢だから、指頭奏法より爪で弾く方がよい」という人もいますが、そんなことはないでしょう。華奢な人は華奢な人なりの指頭奏法になります。大切なのはその人の中でバランスが取れていること。
と、言うわけで、ついに美しき指頭奏法の世界に突入してしまいました。これからどうなるか?楽しみです。